なぜセルフコントロールできないのか?誘惑に勝つのが難しい7つの理由

誘惑とセルフコントロール
  • URLをコピーしました!

自分の感情や行動をコントロールをすることは、時に非常に難しく感じるもの。

・自分のメリットになると分かっているのになかなか行動に移せない…
・辞めたいと思っているのに誘惑に負けてついついやってしまう…
・やるべきことをずるずると後回しにしてしまう…

誰しもこのような経験は一度や二度ではないはず。そして誘惑に勝てなかった自分を責めたり自己嫌悪に陥ったりしてしまうこともありますよね。

自分自身のことなのに、なぜこんなにもコントロールが難しく感じるのでしょうか?

この記事では自分をコントロールできない理由、誘惑に勝つのが難しい理由を7つご紹介します。

できない理由を知ることが、セルフコントロールできるようになるための第一歩となるはずですのでぜひ参考にしてくださいね。

目次

理由1. 脳が長期的なメリットより短期的なメリットを優先する

人は基本的に脳によって支配されていますので、まずは脳の特性を考えなければいけません。

セルフコントロールが難しい大きな理由の1つに、人は長期的なメリットよりも短期的なメリットを選択しやすいという性質があります。

これらのメリットを短期的利得長期的利得と言ったりしますが、狩猟時代には短期的利得を選択するのが生き残るために最適な選択でした。短期的な欲望というのは人の生死に関わっているものがほとんどなので、短期的なメリットを取るというのが生存戦略上正しかったわけです。

現代では食料が採れれば良かった昔とは違って成功の形が変わってきているため、長期的利得を取りに行く戦略が重要な場面も多いですよね。しかし長く続いてきた狩猟時代のDNAが我々人類に強く刻まれているために、長期的に良くないと分かっていても目の前に誘惑があると我慢できないという現象が起きてしまうんですね。

はくまい

誘惑に負けてしまうのは脳の性質が原因だと分かれば、いちいち自己嫌悪に陥らなくて済むね!

三大欲求は特に誘惑が強い

短期的な欲求の中でも特に誘惑が強いのが三大欲求(食欲・睡眠欲・性欲)です。

例えば、ダイエット中なのについつい食べ過ぎてしまう…とかは心当たりがある人も多いのではないでしょうか。

しんまい

確かに二度寝とかもやめられないよなぁ

理由は上述したように、これらの原始的な欲求は人間の生命活動に必須だからですね。

「前頭前皮質」がセルフコントロールを司る

誘惑に負けやすい脳の仕組みになっている…とは言っても、中にはストイックに物事をこなしている人もいますよね。セルフコントロールできる人の脳はどうなっているのでしょうか?

少し難しい話をすると、脳の部位では主に大脳辺縁系と前頭前皮質という箇所がセルフコントロールに関係しています。

大脳辺縁系は脳の中心付近にあるのですが、衝動的な判断を司っていて誘惑の刺激に反応します。短期的なメリット、つまり誘惑部分を優先してしまうような機能はこの大脳辺縁系が担っているということです。これが狩猟時代には重宝された能力だったのです。

そしてその誘惑に勝てるかどうか、セルフコントロールのカギを握るのは「前頭前皮質(前頭前野)」という部分。

前頭前皮質が発達していると、誘惑に対抗したり冷静な判断をできるようになります。

ただしこの前頭前皮質はストレスに弱く、強いストレスにさらされている状況では大脳辺縁系に判断を委ねがちになる傾向があります。

はくまい

だからストレスが溜まっていると衝動的な行動を起こしがちになるんだね

このようにセルフコントロールと脳は切っても切れない関係にあります。

誘惑に負けてしまったりやるべきことを先延ばしにしてしまう時、やる気や根性論で語るのは現実的ではありません。それよりも脳のプログラムなんだと割り切ってしまって、その脳をどう活かしていくべきかを考えることが重要になります。

理由2. 誘惑を発動しやすい環境に身を置いている

自分の周りを見渡してみてください。そこに、セルフコントロールの鍵があるかもしれません。

スマホ、ゲーム、マンガ、自分の趣味…など気が散るものが多く身の回りにあればあるほど、自分のコントロールは難しくなります。

「そんな当たり前じゃないか!」と思うかもしれませんが、その当たり前のことを意識して身の回りを整えている人はどれくらいいるでしょうか?

はくまい

そもそも誘惑が刺激されるようなきっかけが無ければ、行動まで移すことはないという事実をもっとよく考えてみよう。

人は快の感情など何か報酬が得られると期待されるとき、ドーパミンが脳内から分泌され脳の報酬系という神経系が活性化します。

このドーパミンを誘惑に対して使ってしまうと、やるべきことをおろそかにしてやるべきでないことに手を出してしまうということが起こります。

「身の回り」と書きましたが、目から見える視覚情報だけではありません。においや音など、五感から得られるもの全てが誘惑の元となっているのです。

理由3. 思考が整理されていない

セルフコントロールをするためには、前提条件として「自分が何をして、何をしないか」ということを明確に分かっている必要があります。

あなたの思考が整理されていなければ、そもそも論として自分を律することができないという当然の問題が出てきます。

・雑念や妄念がある
・必要のない会話を頭の中で繰り返している
・過去の公開や未来の不安ばかり考えている

このような思考状態に陥っている時、最適な行動に出ることは難しくなります。

行動には集中力を伴うことが多いですが、考えごとにふけっている状態というのは注意散漫な状態です。頭の中でごちゃごちゃ考えていることで目の前の物事にうまく集中することができない状態に陥っている可能性があります。

また、中には自分にはどうしようもできないことにまで「あぁどうしよう…」と思い悩ませている場合があるように思います。自分でコントロールできない部分について思い悩んでいると自分のコントロールさえ疎かに…なんてことになりかねません。

行動のコントロールと思考のコントロールは密接な関係にあるということを肝に銘じておきましょう。

理由4. 目標ややるべきことが定まっていない

目標ややるべきことがあいまいで具体的に決まっていないという理由で、セルフコントロールできない場合があります。

しんまい

やったほうがいいことや、やらないほうがいいことが何となく分かっていているんだけど…

はくまい

行き当たりばったりの判断で行うから、3日坊主になったり、続けようと思ったことが長続きしないんだね。

具体的な目標が無い場合、すぐに気が変わってしまって長続きしない原因となります。

具体的な目標というのは、その行動に対する価値観やモチベーションまで含めた目標のことです。いくら気持ちだけやる気があっても、ビジョンが見えていないとふとした瞬間に「こんなに頑張ってなんか意味あるのかな?」とちょっとしたキッカケで断念してしまいがちです。

人は一度もちゃんと考えていないことはちゃんと行動に移すことはできません。中にはすべきことを無意識におこなえる人もいますが、これはしっかりと考え込んで習慣に落とし込んだ結果であって、行き当たりばったりで気まぐれに行動しているわけではないのです。

理由5. 自分にできないと思い込んでいる

出来ないという思い込みほど、大きな障害はありません。

うまく自分をコントロールできていない人の中には

・どうせ自分にはできない
・自分は誘惑に弱い
・自分には先延ばし癖がある
・いつも3日坊主で終わってしまう

このように決めつけ、半ばあきらめてしまっている人が少なからずいます。

不思議なもので、人はできないと思ったら大抵できないんですね。できると思った人にしかできないようになっているんです。

このことは、できないと思っている人はできるようになるための努力を放棄してしまうという事実から考えていただければ納得いただけるかと思います。

しんまい

いやいや、やってみたけどできなかったんだよ

はくまい

「できなかった」からといって「これからもできない」とは限らないよね?

しんまい

そうは言っても才能も必要だし…

はくまい

あきらめるのは自由だけど、できない理由を並べたらできるようになるのかな?

しんまい

(なんやこいつ…)

完璧主義が行動の妨げになることも

完璧主義の人はなんでもうまくこなすイメージがありますが、完璧を求めるがゆえに行動の妨げになる場合があります。

完璧を求めるせいで「ベストでなければやる意味がない。」という思考回路になってしまい、そもそもの行動を躊躇したり中途半端に物事が進むことに嫌気がさして、そこから先に進まないということもよくある話です。

ベストじゃなくても、ベターで良い。100%の出来を求めて進まないより60%の出来でも完成させようという意識が重要になります。

理由6. 未来の自分を過大評価している

人は未来の自分に対して過大評価する傾向にあります。

それゆえに未来の自分に期待してしまって、やるべきことを先延ばしにしてしまうのです。

今の自分がうまくいっていないのに

・今度こそはうまくいくはずだ
・環境が整えばちゃんとできるはずだ

と根拠のない評価を自分に下してしまいがちです。

未来の自分はちゃんとやるからと先延ばしにして、結局痛い目にあったという経験に心当たりがある人も多いでしょう。

はくまい

夏休みの宿題などはギリギリにやっていた(いる)、という人は未来の自分に期待しすぎていないか振り返ってみよう

理由7. 利己的な視点

利己的なモチベーションよりも利他的なモチベーションの方が強いということが分かっています。

つまり「誰かのために」というより「自分が、自分が」という利己的な動機では、強い行動基準とはなりづらいのです。

長期的な自分のメリットのために行動するのも、短期的な欲に流されるのも、どちらも自分のためとなると、その時の気分で行動を選択してしまいかねません。

しかし利他主義ならば選択肢はほとんどなくなります。自分の短期的なメリットが他人のためになる場合はほとんどありませんからね。

自分の行動が他人にためになると分かっている人の行動力は目を見張るものがあります。

身近な例で言えば、家族のために働く人なんかはやっぱりすごく強いですよね。

まとめ:誘惑に勝つために

誘惑に勝ったりやるべきことをこなしていく。そのためのセルフコントロールは難しく感じるかもしれません。実際に、自分の扱い方を知らない人にとって、自分を思い通りにするというのはとても難しいことです。

しかし、私たちの脳の特性を理解し、うまく活用することで、自分というものは思い通りに律することができます。

セルフコントロールを極める第一歩は、己という敵を知ることです。当記事で紹介した理由7つを自分を自由自在に操るヒントとしてみてください。

この記事をシェアする!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次